2000年01月01日

お知らせ

小淵 瑞樹 ターニングポイント

先月開催されたオリンピック予選を兼ねた日本選手権決勝に進出するが惜しくもオリンピック出場を逃した小渕選手。パリオリンピック開幕のその日、連日の猛暑の中トラックに小渕選手の姿はあった。


陸上400Mはトラック競技の短距離種目の一つでスピードと持久力のバランスが重要な競技です。一瞬の判断や戦略が大きく結果に影響する見ごたえのある競技で、最後の直線での逆転劇や耐久力の勝負が見どころで戦略と技術が融合した非常にエキサイティングな種目で多くのファンを魅了します。そんな400M競技を行う小渕選手の勝負のターニングポイントに迫ります。


トラック競技の中でも最も過酷といわれる400M で小渕選手が思う競技の魅力とは。


「スプリント力がトップクラスではない自分は戦術や丁寧な走りに加え後半にスピードを上げることができる。という得意な部分で勝負する世界が合っている。」


この日の練習でも動作の確認やドリルメニューを入念に行う様子が見られ小渕選手のストロングポイントを作り出す秘訣が垣間見えた。


スプリント力ではなくレースの構成や走りの技術を自身の強みとしている。
レース中の勝負のポイントとしては「バックストレートで前半のスピードを維持し後半のきつい部分へ繋げていくことレースの中で最も意識するポイントです」 やはり後半部分が自身のストロングポイントとしている。
高校生から陸上競技をはじめ競技人生では大歓声が自分に向けられる栄光の瞬間を味わったこともある。しかしその瞬間の裏にはたくさんの苦悩や挫折がある。そんなキャリアの中で彼を支え続けたものは彼の周りの“人”。「高校から大学への進学時・大学から卒業後の進路と分岐点の決断時に競技を続けることを後押ししてくれた周りのサポートがあったおかげで今の自分がいます。」そう語る彼の笑顔は人を引き付ける魅力に溢れています。
人に支えられ応援される能力はアスリートにとって最も大切な力の一つでしょう。
「現在職場である登利平では経理業務にあたっているが、練習や大会への参加への理解も深いそれに加え同僚からの応援を身近に感じることができるのは選手として何よりありがたい環境です。」充実した練習環境、支えてくれる人に恵まれた小渕選手の次なるステージとして期待したいのはやはりオリンピックではないでしょうか。


Qパリオリンピック予選で決勝まで残りオリンピックに手が届きそうだった。


その経験を経て改めてオリンピックとは?


「夢の舞台であることに変わりはない。でもまだ自分の実力はオリンピックという舞台にふさわしくない。選手として足りなかった結果だ」そう語る。
陸上の専門家ではない筆者は“決勝に立つこと”とは手が届くところにその夢の舞台があったように感じます。しかし小渕選手の捉え方は違っていました。400M競技における1秒の差について尋ねた際「1秒は相手の背中がはっきりと見えるくらいの距離です」その回答にはオリンピック選手との距離を自身が目視でとらえた距離…それがまだ遠いのだということです。
武藤コーチは小渕選手について「こんなコンディションでこんな風に走れるのか。と驚かされる。まだまだ底地は未知数だ」と期待を寄せ「冬のトレーニングで自己分析と力の出し方を研究します」と可能性を見出している。日本記録44秒を目指す為に「前半の入り部分にこだわっていきたい、自分の中に正解は見えている。あとはそこへ向かう過程を模索している」と話す。過程を模索する中で彼がどのような進化を遂げて魅せてくれるのか。色々な過程を試し悩み、その正解にたどり着いた日、競技場電光掲示板の小渕の名前の横には44秒の表示があるのではないでしょうか。武藤コーチと二人三脚で来年2025年東京にて行われる世界陸上では日本代表の座を狙う。国立競技場で勝負のターニングポイントを制した走りを見せてくれることを期待しています。国立競技場に小渕スマイルが咲きますように…。